天草の小さな畑がある古民家

天草の歴史、観光、宿泊、グルメなどを紹介

トコロテン

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暑い日が毎日続くとトコロテンが旨い。冷蔵庫で冷やして、酢醤油とすりごまを振りかけて食べる。色々な食べ方があるが、昔ながらのシンプルな味付けが好きだ。飽きないし後口がさっぱりして、まさに夏の食べ物だ。昔は家族が多いので、おふくろなど大きな鍋で、汗びっしょりになって作ってくれた。
 
テングサ50グラムに水3200㏄で、煮立って10分したら、お酢を盃1杯入れて、さらに25分、吹きこぼれないようにコトコト煮て、さらしの袋で漉して型に流し込んで出来上がりだ。簡単だが約1時間鍋の側についているのは、結構汗をかき楽ではない。
 
三方を海に囲まれた我が町では、子供の頃は潜って取りに行った。その頃はサザエ、アワビやタコなどもいて、時間を忘れて遊んだものだ。今の子はそんな事はしない。土用の大波に戯れて遊んだが、今なら眼を剥いて怒られるだろう。海に囲まれた町なのに、学校にはプールがあるし、波が無いように囲えわれて、監視付きので泳いでるのを見ると隔世の気がする。
 
テングサも潜って取る人は少なくなったが、海が時化日の翌日など、磯に打ち上げられ、それを拾っても結構な量が取れるらしい。でもそれからが手が掛かる。赤茶色した草を白くなるまで、何度も水にさらしてやっとテングサになる。拾いに行くのもおっくうな私など、もっぱらスーパーで買って来る。
 
お盆が近くなったからか、故人の事をふと思い出す。じいさんばあさんがいて、記憶に定かで無い父も居て、姉3人弟妹の10人。穏やかで賑やかな大家族だったなぁ。井戸水で冷やしただけのトコロテンを美味しい美味しいと食べながら・・・。