天草の小さな畑がある古民家

天草の歴史、観光、宿泊、グルメなどを紹介

郷土文化伝承館南風屋(はいや)

崎津集落は観光地化されていません(最後に訪れた2015年2月)。潜伏キリシタンは、「知られてはならない」という性格を持つわけですから元々物質的なモニュメントなどないのが当然です。伝承崎津集落で暮らす人々こそが最高の魅力だと思うのです。郷土文化伝承館南風屋は、天主堂から徒歩1分、是非とも立ち寄りたい施設です。

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施設は、女性達の溜まり場!無料で手料理を味わうことができました。施設内壁面は、ここを訪れた人々の思い出の写真や手紙でいっぱい、笑いが絶えません。

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ご馳走になったお礼も含め、 販売されている「杉ようかん」を購入させて頂きました。懐かしい手作りの味わい、本当に美味しい和菓子です。写真にあるピンク色はドラゴンフルーツでの着色、天然素材への拘りと伝統技術の継承が南風屋のコンセプト。この和菓子、みているだけで癒されます。

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その他ジャムやお菓子などお土産が揃っています。

南風屋(はいや)

熊本県天草市河浦町﨑津454番地

営業7:30~16:00

年末年始・旧盆以外は無休

0969-79-0858

崎津諏訪神社

崎津天主堂から100mほどの山側に崎津諏訪神社があります。1647年創建と言われる神社は、配置や一部施設は当時のままの姿で残っているとのこと。鳥居の間から天主堂をみることもできます。

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崎津の潜伏キリシタンは、表向き仏教徒を装っていたことに加え、この諏訪神社海上安全祈願の場でもあったわけで、崎津集落において特別な施設とも言えます。﨑津教会と﨑津諏訪神社を結ぶ道は「カミの道」とも呼ばれる。

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この石段は、展望公園頂上へと繋がっています。あまりにも静寂であり、途中にある全てのものから独特な気を感じることができます。

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崎津諏訪神社の脇に金比羅宮に通じる道があります

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崎津集落の景観

崎津は2011年2月7日に重要文化的景観に選定されました。崎津集落は崎津港の西岸、国道389分岐点から岬までの旧国道(サンセットライン)両側(約700m)に密集する小さな漁村です。ぷらぷらと当てもなく1時間ほど散策した際の写真をアップします。何気ない日常の景観こそが崎津集落のモニュメントであり、目に見えない「伝承」空間が訪れた一人一人の思いに応じてくれるのだと思います。

漁村の所々に、NPO南風屋の道標

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トーヤとは、密集した家屋の間をすり抜ける幅1m弱の小路のこと。限られた狭い集落を特徴づける景観の一つです。

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トーヤの先には、海に突き出た平均幅5m四方の「カケ」と呼ばれるテラス状の足場があり、穏やかな空間が続きます。

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漁村だけあって多くの猫を見かけました。ほんとうに穏やかです。

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南風屋の並びには海月という地元のお寿司屋(現在、天草市河浦町崎津457へ移転したらしい) 

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未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選

崎津集落は「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」にも選定されています。

崎津集落を散策してみると、漁港と山並みの間の本当に狭い土地であることを実感します。

トーヤ(幅1mほどの小路)とカケ(海にせり出したテラスのような作業場)が入り組んでいて、天主堂を囲むように村が形成されているのです。どこからでも天主堂を見ることができ、瓦びきの屋根と重なる十字架は印象的です。

江戸時代、崎津には海路しかなく隔絶していたことで天草・島原の乱も知らなかったとのこと。キリシタン潜伏も含め、外界と隔離された聖なる土地だと思うのです。

公益社団法人全国漁港漁場協会|漁港百選

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天主堂のすぐ裏には多数の漁船、おだやかな時間が流れています。

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崎津天主堂

崎津集落のシンボルとも言えるゴシック様式の天主堂は、1934年フランス人のハルブ神父により建立されました。和洋折衷の風景は国の重要文化的景観に選定されています。

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崎津天主堂に向かって右側にはハルプ神父の碑があります。

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 明るい感じの室内と対照的なグレーの外壁はざらざらとした感じのドイツ壁風になっています(室内は撮影禁止)。

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崎津教会は内部が畳敷きでる点が特徴です。訪問時、3日間を要する畳奉納が行われていました(2015年2月26~28)。この畳替え作業は「世界遺産候補 崎津教会 畳屋道場畳奉納」と表記されていました。

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作業をしていたのは、地元の畳職人と畳屋道場の職人さん。貴重な現場での畳の手縫いを見学することができました。

おれたち農家の「正直たたみ」 / 畳屋道場×和たたみの里 八代 生産販売組合 / 国産畳・国産い草(いぐさ)・い草製品

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山頂から見下ろすと、崎津教会は漁村にあることを体感できます(チャペルの鐘展望公園山頂から)

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崎津教会

熊本県天草市河浦町﨑津539